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Desired ratio of

BURDEN AND BENEFIT.

【課題2】

ごく少数の大金持ちと少数の中間層、多数の貧困層からなる経済と、少数の大金持ち、少数の貧困層、大多数の中間層からなる経済と、どちらの経済がより発展的か。

 現在の世界は、半分しか経済学の論理が通用しないという人もいる。すなわち、ごく 少数の人が世界の富の半分を所有しているため、その半分の富に対しては、一般の経済学の論理が通用しないという。個人では消費しきれないほどの富の大部分は、たぶんいろいろな投資に回されるだろう。その投資の行き先の大部分は自国内や自分のエリア内にとどまることなく、大部分は他国の案件に投資され、自国内の経済に資することが少なくなるだろう。その結果自国の経済は発展を阻害されるのではないかということではないかと思う。むしろ多くの人が富を分かち合っている方が、経済への好循環が期待されるのではないだろうか。こういうことにも検証が必要ではないかと思う。

 サミュエル・ボウルズは「不平等と再分配の新しい経済学」で、平等主義的資本主義と呼ぶに値する国々には、北欧諸国(フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)と、東アジア(韓国、台湾、日本)という全く異なる二つの類型があると指摘している。このうち北欧モデルは、不平等なストックから生み出されるフローを平等化することで機能し、東アジアモデルは相対的にストックが平等であるがゆえに平等主義的になっているという。日本の場合は戦後の農地改革がその端緒のようである。そして、2つのモデルの長期的記録は、平等の上昇が資本主義経済の生産性促進動学を必ずしも阻害しないばかりか、強化することを証明しているとしている。この東アジアモデルを資産中心型生産性促進的再分配と呼んでいる。果たしてこれが正しいのか、さらなるアプローチやその深化をはかる検証がまたれます。

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